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『アメリカの大学院で成功する方法』に思う

 吉原真理 『アメリカの大学院で成功する方法――留学準備から就職まで』 中公新書2004年。

 最近、この本を両親に贈りました。「僕が過去たどってきた30年、この本を読めばわかるから」といって。

 副題にあるとおり、留学準備から大学院でのサバイバル、それに北米の大学での就職やテニュア(終身雇用権)獲得プロセス等々、うまくまとまっています(ただし文系の話)。日本の文脈と異なるこういった事情を口では説明してもなかなかうまくいかないので、「経験談」書物を読んでもらうのが一番です。

 わたくしも、この本を読んだ際、自分が体験してきた様々なエピソードを思い起こしました。

 ご関心あれば、この本、ぜひご覧あれ。読者の方にひとつ注意点を挙げるとすれば、わたくしの院生時代はタイプライターの時代(もちろんインターネットは無し)だったので、機械の面では論文執筆作業は今と比べて不便だったということでしょうか。

 麻田貞雄 『リベラル・アーツへの道――アメリカ留学とその後』 晃洋書房2008年 は日本の高校卒業後、アメリカの大学・大学院(1954年~1963年)で学んだ人の経験談です。筆者はグルー基金の2期生。学部時代のわたくしの指導教官。当時のアメリカの状況が分かるほか、今でいう帰国子女が直面した事情が理解できます――副題にあるように。1960年代の日本といえば、現在と異なり、「海外との壁」が大変厚い時代でした。再び今の言葉を使えば「ガラパゴス的だった」となるでしょうか。

 この本もぜひ、ご覧あれ。


 
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「トランプ現象」とファシズム

 最近の「トランプ現象」について、日本でもいろいろ書かれていることでしょう。

 職業柄、私も様々な論評(英語)を読みますが、以下のものが興味深かったです。

http://www.brookings.edu/blogs/order-from-chaos/posts/2016/05/22-trump-fascism-in-america-kagan

一読をお勧めします。

 ファシズムの研究は政治学では長い歴史があります。数多いファシズムの定義のうち、「複雑な問題に直面する市民が自分の力で考えることに疲れ、デマゴーグ的なリーダー(明快な答えを教えてくれるリーダー)に酔いしれてしまう」というのがあります。トランプ氏に「単純で明快な答え」を求めるアメリカ国民が多いのでしょう。とうとう「民主主義の本場」を自負するアメリカにおいてさえ、そういった状況が出てきたとは、思わず考え込んでしまいます。

「教室でPC」の思わぬ弊害

 最近の学生。PCを教室内に持ち込んで講義をノートする、というのが多いです。時代の流れ、でしょう。

 しかし、日本のTV風に言えば「ソレダメ!」です。

 なぜか。それは、PCを使っていると周りにいる人達の気をそいでしまうから。つまり、受動喫煙と同じ。本人がハッピーでも回りが迷惑。

 これ、最近の研究でわかってきたことです。読みやすいものでは、例えば次の記事をごらんあれ。

http://www.theglobeandmail.com/life/parenting/back-to-school/laptops-in-class-lowers-students-grades-canadian-study/article13759430/

 ちなみに、教員の目からみて学生のPCは目障りなのは言うまでもありません。小さな壁が学生の前に立っている格好なので(実際、講義そっちのけでインターネットを見ており、ニヤツイている輩も見受けられる)。

 実は、ノートのための道具として真面目にPCを使うとしても、本人にとってためにはなっていないのが事実。情報を頭の中に入れるのには、紙に自分の手でもって書く動作のほうが効果的なのです。これも研究で実証ずみ。

 ここまでは教員と本人の問題なので、本人が「自分の勝手」といえばなんともしようがないのですが、「他の学生にとって迷惑」となると話がちがってきます。

 ということで、ワタクシが担当している科目では基本的にはPC持ち込み禁止。「えっ、そんな極端な!」と思うなかれ。教室が禁煙となっているのと同じ理屈。

 それとスマホも禁止。ご心配なく。休憩時間があるので、その際に学生諸君、フェィスブックをチェックできます。にもかかわらず、コッソリ講義中にスマホチェックしている輩がおる。まさに中毒症状。

 実際、政治哲学を教えている同僚の話よれば、スマホが出始めてから学生の集中力が落ちているとのこと。さもありなん。政治哲学のような抽象論を考え抜くという知的作業には集中力が欠かせない。スマホ中毒恐ろしや。

 ということで、時代の流れに歯向かう「無駄な抵抗」かもしれないけれども、「他人への迷惑お断り」という理由でPCは教室内禁止、という方針を今のところは貫いております。他の同僚のなかには許可している者もいて、対応は千差万別なんですが。

 


難しい英訳・和訳

 当地でも、平野部では桜は満開を過ぎました(もちろん、八重桜はこれから)。拙宅の庭にある桜もそう。めっきり春らしくなっております。

 4月の第一週で講義も終わり、試験期間に入ります。今学期は「日本社会入門」科目を担当しました。10年ぶり。実は英語では良い教科書がありません。仕方なく、とある教科書(日本の歴史が中心でアメリカ人が著者のものを)を使いましたが、固有名詞の間違いや著者の思い込み(バイアス)、さらにはひと昔の見解を見つけるにつけ、そのたびに学生に指摘しなければなりませんでした。

 外国で日本のことを教える際、日本で普段つかっている概念を英訳するわけですが、ときどき困るときが出てきます。

 例えば皆さん、日本語でいう「人の道」(親が子に対して「人の道から外れるな」というときのアレ)をどう英訳しますか。直訳してもニュアンスはうまく伝わらないでしょ?すこし倫理的な説明をしないといけないので、英語では少々長くなってしまいます。

 「がんばってください」と日本人がいうときも、英語の Do your best の意味とは少し違います。それに、食前の「いただきます」と食後の「ごちそうさまでした」、も実はなかなか訳すのは難しい。そもそも一体誰に対して感謝しているのか、と学生は尋ねてきます。

 あと、日本語でいう「民度」(「民度が低い」というのが一使用例)に対しても、これまたスッキリした英単語がない。

 まあ、こういった具合。

 逆もあります。たとえば英語の integrity にピッタリくる日本語の概念は見つかりにくいのではないでしょうか。高潔、誠実というのが近いですが。大学業界でいう liberal arts もそうですね。日本語でいう教養主義とはチトちがう。仕方ないのでカタカナでリベラル・アーツと私は書いてしまいます。

 皆さんもこういった体験、おありでしょうか。

自由民主主義国家日本の地位をみる世界データ

 「日本は自由民主主義の国」といえば、当たりまえのように思われるでしょう。では、そういった日本を他国と比較してランク付けしている世界データをご存じでしょうか。

 こういった視点は日本の中にいると持ちにくいかもしれません。外にいるとよく見えます(政治学をやっているので、よく気が付くといったほうが正確でしょうか)。

 例えば、次のものをどうぞ。

1) Freedom House による世界各国の政治的自由度(https://freedomhouse.org/)

 次のページにある地図で日本をクリックすれば自由度がでてきます https://freedomhouse.org/report/freedom-world/freedom-world-2016

  日本の自由度を確認していください。96です。他のアジアの国々とだけではなく、ヨーロッパにいってフランスやイギリス、ドイツの自由度と日本のそれとを比較してみてください。驚かれると思います。

2) Transparency International が出している汚職(正確には汚職度に関する認識)レベル

 次のページの下のほうにある地図で日本をクリックすれば数値が出てきます。http://www.transparency.org/cpi2015
ここでも他の国々と日本とを比較してください。

 日本、悪くないでしょ?
 
プロフィール

Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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