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サバティカル(3完)

◆裏ワザあり

 「なんか、やたらとアリガタがっていますね、センセー」という反応を予測して、次にいこう。
 いやいや、もっとありがたい大学がある。つまりサバティカルをドンドン出してくれる大学。
 カナダでは「六年教えて一年サバティカル」が普通と前述したが、アメリカの超有名大学では「三年か四年教えて一年サバティカル」というのを聞いたことがある。これなんか垂涎の対象である。いやー、ほんと。「だから、あの連中、あんなにバカバカ研究できるんだー・・・」と自分のナマケ癖を棚に上げたようなことをいいたくなるぐらい、うらやましい。「これこれ、欲を出してはいけません、精神衛生上、悪いですよ」と言われてもうらやましい。
 しかし、制度は制度である。これ以上の頻度でサバティカルはもらえない。
 ところが、カナダでは裏ワザがないでもない。
 ティーチング・リリース( teaching release )と呼ばれるもので、これは次のようになっている。
 このティーチング・リリースというのは名前が示すように「教えることからの解放」費用なのである。つまり、自分が現在担当している一科目を一学期の間、非常勤講師がかわりに担当した場合にかかる費用を意味している。で、外部研究資金を申請するときに、他の研究費に交えてこの費用を組み入れるのである。もしその研究資金がおりれば、ティーチング・リリース費用もおりる。そして非常勤講師に自分の担当科目を分担させて、自分はその時間を研究にあてるというわけである。
 ナント、すばらしい制度ではないか!
 たいていの大学によっては、一年間に何科目までこのティーチング・リリースをすることができるという規定を持っている(そうでなければ、これが抜け穴となってしまって正規の教員が教えている科目が極端に少なくなりかねない)。なかにはマッタク禁止している大学もある。
 別の意味でもこのティーチング・リリース、学部運営からみれば少々問題が出てくる。というのは、外部研究資金を獲得できるような教授はそもそも優れた研究活動の蓄積がある教授なので、そのような人たちがティーチング・リリースできるとなると、その分、また連中の研究業績が伸びることとなる。それはそれで結構なことなのではあるが、実際は、そのような教授の科目は学生にも大人気。ということで、非常勤講師ばかりを充てるわけにもいかないのである。ときには他の教授がピンチヒッターとしてその科目をカバーせざるをえない(そうなれば、これまた準備がかかるのである、その「代打教授」にとっては)。七年に一度ならともかく、このようなことが頻繁になれば同僚の間でヒンシュクモノとなりかねない。
 いずれにしても、ティーチング・リリースはサバティカルそのものにとってかわるものではない。「小型の裏ワザ」ともいうべきもので、「六年間教えて一年サバティカル」の枠組みの中で研究時間を増やす(そのほかの時間を減らす)一つの術である。しかし、研究を貪欲に追及する教授センセーたちにとっては、それでも貴重なものなのである。

***
 
 ということで、サバティカル、ありがたい――いかん、また繰り返してしまった。 

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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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