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北米の文系大学教員就職事情(1)

 とまあ、発音しにくいタイトルを掲げたものの、さまざまな側面があるので、今回はその一部分だけ。そして、アシスタント・プロフェッサー(少し前の日本であった「常勤講師」、つまり院卒者が対象のもの)に焦点をしぼろう。いわゆる tenure-track, assistant professor の仕事である。

 こういった新人レベルでも、新規採用が定期的には行われないキッカイな業種が大学ギョーカイ。これをまずは理解されたい。

 いずれの学部も各大学に一つしかないが、その学部でタマタマ、専攻分野Aの一教員が退職するので補充する。これが基本ロジック。だから、その退職がなければ公募は出ない。

 その上、専攻分野Aでの公募となるので、専攻分野Bの人は対象外。例えば、同じ政治学部でも比較政治学の公募については、政治哲学の人は対象外。公募対象がもっと狭くなることも、これまた多い。比較政治学でヨーロッパ政治が公募対象としよう。であれば、中南米の研究者は当然、対象外となってしまう。

 その専攻分野Aについて、複数の大学が同時に公募を出すかもしれない。けれども、大学単位ではそういった構造になっているのである。「ABC大学に就職したい!」と思っても、自分の専攻分野での空きがそのABC大学で無ければどうにもならないのである。で、そういった空きが出る確率は宝くじ並み。

 これが基本形だが、これとは少々別のロジックも関係してくる。

 例えば、何かの理由で専攻分野Aの人気があれば、「うちの学部では担当者がいなかったけども、新しくやってみるか」ということで公募を出す大学の数が増える。その逆もあって、昔あった専攻分野が消えてしまうということもある。例えば、日本政治学。今の北米では、日本政治学の公募はほぼ見当たらない。チトさびしい。

 別のロジックは、大学の財政事情にかんするものが挙げられる。空きが出来ても、財政難で補充しないということも多々ある。例えば、カリフォルニア州の州立大学は最近の財政事情のもと、新規採用を抑えているとか(そのうえ、教員給料も一割カットらしい)。

 ということで、自分の専攻分野で出てくる公募の数は毎年変わる。どういった大学が公募を出すのかも、毎年変わる。(新人採用レベルでは、公募なしで採用されるケースは事実上ありえない。)分野によっては公募数が極端に少ないものもある。例えば、政治哲学は昔そうであった。

 カナダとアメリカは一体化しているので、カナダでの公募にアメリカ人も申し込んでくるし、その逆もある。(といっても、数からすれば前者のほうが圧倒的に多い。人口の差。)

 今回はこのへんで。
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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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