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学術雑誌の編集にかかわる

といっても、ピンとこないかもしれない。教授といえば、「教育(講義)している、(どこかで)研究している」という印象しかお持ちでないかもしれない。

 教授にとってその他の活動多々あれど、現在ワタクシは学術雑誌の編集にかかわっている。それも2つの(両方とも英文誌)に。

 学術雑誌というのは研究者が研究論文を提出し、査読(審査のことをいう)をうけ、「狭き門」をくぐりぬけたものだけ掲載されるというもの。(日本の大学でよくみる「紀要」はこの意味での学術雑誌にあたらない。査読プロセスがなく、そのまま掲載されるので。)

 この「狭き門」、かなり狭い。

 ワタクシが参加している二つのうち一つが公式に発表している「成功率」は10%。そう、10本(これ、すべて博士号所持者が執筆したもの)のうち1本しか「狭き門」をくぐることしかできないのである。

 この「狭き門」の番人が編集委員会(その長が編集委員長)。提出された論文むけの査読者(審査する研究者)を3人ほど見つけ出し、それらの審査結果を踏まえ採用するかどうかを決める。当然、その論文も読んで独自にその質を判断する。さらには、適切な査読者を選ばなければならないので、学会でどのような研究者がどのようなテーマで仕事をしているかという土地勘がないといけない(ワタクシが関わっているのは英文誌なので、当然、英語圏の学会の土地勘が必要)。

 では、どういった論文が採用されるのか?言い換えれば、どういう論文を編集委員会が望んでいるのか?

 概していえば、採用される論文は「新しい知見」、それも「活字として公表される価値がある、新しい知見」を提出するものでなければならない。より正確にいえば、「これまで出版されてきた数ある研究が抱えている問題点、それも解決必要な問題点」を把握しているだけではなくて、それをうまく解決しているという論文である。言い換えれば、そういう形で「学問の前進に貢献できている論文」。この要件、満たすのがなかなかムズカシイ。

 だから厳しいわけである。だから「成功率10%」なわけである。まさに「学問の真剣勝負」。

 そもそも査読プロセスに入る前に「この論文、価値ある知見をキチンと提出・展開していない」と即却下されることも多い。提出された論文のうち、40-50%ぐらいがこの「即却下組」に属する。

 ということで、こういったクオリティー・コントロールを受けたのち、論文が活字になるわけ。学生には論文を読ませる前にこういった査読プロセスの話をすることにしている。(もちろん、そのうえでその論文を批判させるのが北米でのキマリ。)

 学術雑誌の編集に直接かかわらなくても、査読者としてお声がかかるのが教授の業務の一部となっている。ワタクシも編集委員ととしてかかわっている二つの学術雑誌以外のものから「この論文、査読してくれ」というお声がかかってくる。

 一見、裏方稼業に見えるこういった学術雑誌関連の業務も、教授にとっては重要な活動なのだ。
 
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テーマ : ★大学生活★
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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