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北米の文系大学教員就職事情(2)

 競争率はどれぐらいか?専門分野によるが、最近ではおおまかにいって100-500倍ぐらい・・・と思う。まあ、100倍ぐらいは普通と思っていると良い。

 そう、たいへんな競争率。

 もちろん、カナダ政治の公募となると、カナダ国内からしかほぼ応募がないので、競争率はまあ、50倍ぐらいではなかろうか。アメリカ政治の場合、アメリカの大学が公募を出せば応募者数は100は優に超すであろう。200ぐらいであろうか。他方、国際政治理論となると、カナダの大学が公募を出しても世界中から申し込みがあるので、これまた競争率は100-200倍ぐらいはいく。

 英文学とか社会学とかも、似たような状況ではなかろうか。特殊な専門分野なら競争率は比較的低くて、一般的な専門分野になればなるほど、競争率は高くなる。

 このまえ、勤務する大学の経済学部の同僚と話をしていたら、そこの学部では一つの職に600人申し込んでくるといっていた。 600人、ですよ。それも世界中から。(日本語でいう「近代経済学」。マルクス経済学は、北米の経済学部では教えていないのが普通。)

 600人から10人ぐらいまで絞りこみ、そのうち3人と面接する。で、1人が選ばれる。選ぶほうも大変である。なにしろ600もの申請書類に対応するのだから。経済学は自然科学化というか標準化されているので、どの国で学ぼうが、内容はかなり似通っている。だから、こうなる。文学や歴史学と違って、数学や統計学をバンバン使う経済学(それに心理学)はかなり特殊かもしれないが、それにしてもすごい競争率である。

 「英語圏ならどこでも行きます、仕事があれば」という状況は、経済学ではもちろん、政治学でも当たり前になりつつある。

 とりわけカナダは市場規模が小さいので、カナダで大学院教育を受けても、他の国で就職するという場合も珍しくない。(短大をいれて、カナダの大学はせいぜい100校ぐらいしかなく、アメリカの3000校(コミュニティーカレッジを含む)とは大ちがいである。)わたくしの知っている範囲でも、アメリカはもとより、イギリス、オーストラリア、シンガポール、はたまたオランダや中近東(英語で授業する場合)といったような国々で、カナダ人政治学者が教鞭をとっている(あるいはとっていた)。最近は、このサークルのなかに日本も入ってきているようである。

 他方、「大規模市場」であるアメリカには、他の英語圏の国々からーーそして時には非英語圏の国々からもーー多くの応募が舞い込む。

 そのうえ、仕事をもらえる大学がある町が、(自分の出身国にはあっても)自分の故郷ではない場合がほとんどである。もっといえば、その町が「自分がそんなに住みたいとは思わない町」であることも多い。そういう意味では、自由が拘束される職種である。

 ところで、カナダの公募にはキチンと、国籍条項が入っていて「カナダ国籍ならびに永住権保有者を優先する」となっている。それと同時に「女性、原住民、有色人種、身体障害者の方々からの申し込み歓迎」とも書いてある。これについては、次回に。


 
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テーマ : 教師のお仕事
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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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