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北米の文系大学教員就職事情(3)

 カナダでの大学教員への就職には、カナダ国籍保有者ならびに永住権保有者が優先権を得る。けれども、優先権だけで、就職の保障ではない。

 「これは!」と思うカナダ人が申し込んでいなかったら、「カナダ人ではないけれども実力(merit)が一番の人」が採用される。

 こういった国籍・永住権条項は、一種の保護主義というか競争強化主義の賜物である。となりの大国アメリカや昔の宗主国であったイギリスと競争・対抗して独自の地位を築くための一作戦。しかし、「実力関係なしに、カナダ人しか絶対に採らない」とはしていないのがカナダらしい。実力主義を認めたうえで、カナダ人を優遇するのである。

 あと、女性、有色人種(カナダでは visible minority という)、先住民、ならびに身体障害者が優先権を得る。もし審査最終段階で、候補者Aと候補者Bがほぼ同じ実力であった場合、こういった優先権を持っている候補者が選ばれる。しかし、ここでも実力が無い候補が「優先権があるから」ということで選ばれることは無い。あくまでも、実力が十二分に伴わなければならないのだ。

 これは平等主義の賜物。カナダでは、こうなっている。(アメリカの場合は、正直、知らない。)

 とくに、女性教員が少ない学部は「女性を多くしないといけない」という有形無形のプレッシャーを受ける。逆にいえば、男性を採用すれば、なぜ女性を採用しなかったのか説明をしっかりできる心構えが学部側には求められることとなる。
 
 となると、男性候補(とくに白人男性)がキッチリと選ばれるためには、優先権を持つ他の候補者を確実に上回る実力(業績)が必要になってくる。言い換えれば、査読論文をボンボン出していないといけなくなる。

 では、大学教員全体(引退前の世代から新人世代まで)において、優先権をあてがわれているグループに属する者の割合はどれくらいか? 私の勤務校(教員数約700人)がどれほどサンプルとして適しているか分からないが、一例として挙げると、女性教員はだいたい全体の4分の1から3分の1の間ぐらいと思う。有色人種の教員は(私も含めて)約一割という印象。先住民の教員は片手か両手で数えられるぐらいではなかろうか。身体障害者の教員もそれぐらいと思われる。ということで、やはり白人男性が大多数を占めている。

 教員間におけるカナダ国籍保持者・永住権保持者の割合は・・・・わからない。というのも、国籍や永住権をもっている、いないは目には見えないので。それに、仮に就職したときにはカナダ国籍・永住権をもっていなくても、カナダに住んでいるうちに申請すれば獲得できる。

 ちなみに、応募する際に年齢制限は無い。「何歳まで」「博士号をOOOO年までに取得した者に限る」といったような文章は公募には無い。年齢差別となるので。

 
 

 
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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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