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北米の文系大学教員就職事情(4)

 ここで、話をもどそう。就活している側、つまり院生についての話を続けよう。

 PhDの賞味期限は、ほぼ三年。つまり、PhDをとってから三年のうちに就職しないと、ほぼ後がない。もちろん、PhDを取得する直前ぐらいに就職できれば最高だが、そのようなケースは最近はかなり少ないと思われる。(博士課程に入った者たちの半分ぐらいが、PhD取得段階まで生き残る。)就職シーズンは年に一度。空振りすれば一年まち、となる。三回空振りすれば、ストライク・アウト。

 基本としては、PhD論文の他に査読論文が最低は一本はないとナカナカ就職ができないのが実情。(他の競争相手に打ち勝つためには、実際はもっと数多い査読論文が必要かもしれない。)PhDを取った後は、ドンドン査読論文を出したりしないと「なるほどPhD保持者である。活発な研究活動をしているワイ」と採用者側は思わない。

 ところが、である。PhDを取った後、(すぐには常勤の仕事につけないので)生活のために非常勤講師をいくつかやってしまう。すると、研究・論文執筆時間がなくなる。となると、査読論文が出せなくなるのだ。(審査・出版の過程そのものが一年ほどかかる。)

 これが「アリ地獄」状態。→ 生活のために非常勤講師をする、査読論文なし、だから常勤職なし。しかし、生活のために非常勤講師をつづける・・・・。

 これにハマってしまうと、「アンタ、PhDもっているのに研究業績ないじゃないか!」とニラまれ、PhD取りたての人材(いまだに傷なし)に比べて見劣りしてしまうのである。これが三年続けば、「ハイ、さよなら」となる。

 となると、院生側としては、ノホホーンとしていては就職できないのだ。つまり、PhD論文を執筆するかたわら、査読論文を出さないといけない。

 しかし、この査読論文執筆作業は、博士過程の教育プログラムそのものの中には組み込まれていないのである、普通は。与えられた教育プログラム( course work, comprehensive exam, PhD dissertation, etc.)をこなすだけでは不十分なのである。この教育プログラムをこなせきれる者(つまりPhD取得まで至る者)が半分ぐらいしかいないのは既に指摘したが、これに生き残っても就職できないとは・・・殺生な話である。

 ということで、博士課程に入りたての院生にこういった話をするように努めている。先の先を読んで、就職できる状況に持っていくことの大切さを説いている。PhDを無事に取得しても、オマンマにありつけないのでは元も子もないのだから。
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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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