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教授になる方法:就職活動(3)

◆個人的回顧

 「センセー、センセー、それで成功率はだいたい、どのくらいなんですか?泣いてばかりやはるけど・・・・」
 なかなか具体的な質問である。ギリギリとツッコンでくる質問である。
 答えは・・・・知らない、実は。
 ホントに知らない。
 恥ずかしながら暴露してしまえば、わたしの戦歴は「12-6-1」である――十二の公募に申し込んで、六つの大学にショート・リストされ、一つの大学(今の勤務校)から採用の話をいただいた。これが平均的な数値であるかどうか、知らない。
 もちろん、抜群にできる人はたくさんのところから採用通知を同時にもらって選ぶことができよう。上には上がある。バリバリに出来て専門分野でも知らない人はいない、というような若手もいる。そのような人は超有名大学にズバッと就職が決まる――らしい。
 しかし、その逆もあって、「これまで三〇件ほど申し込んできたが採用通知は一つのみ」というケースも聞いたことがある。それでも採用通知がきたのだからハッピーエンド――とわたしは思う。下をみれば、これまたきりがない。「非常勤アリ地獄」に陥った者や別の職種に(それも三〇歳代後半に)移らざるをえない人たちもいるのだから――わたしの周りにもいる。
 オマンマにありつくことができれば御の字、すべてはそれから、というのがわたしの発想。これは特にガイジン教授として感じる。だって、そうでしょ、みなさん。オツムがすばらしい天才・秀才ならいざしらず(そういう人が多くいます、北米の学者ギョーカイでは)、わたしのような盆栽、でなかった、凡才は、四苦八苦してアクセントある英語で上でのべたような研究発表をし、ヘタッピな英語での論文を苦心して書いて発表しないと職につけないのである。それも、現地人でもなかなか就職できないのに。まさに涙・・・といいたいところだが、あまりやると「もう、いいかげんにメソメソするのはやめてください!」という声が聞こえてきそうなのでいわないことにしよう。
 
◆住みたい土地に決まるかどうか・・・

 さて、贅沢といえば贅沢かもしれないが、ショート・リストされて、大学に面接にいっても、「えっー、この街に住むのか、この大学に就職したら・・・・ちょっと、この街は・・・・引いてしまうかも・・・・」ということがやはりある。正直、実感として。もちろん、その逆もあって、「この街いいなー、住みたーいゼッタイ!」と思う土地もある。
 しかし、自分で住む土地を選べないのが、学者カギョーのツライところ。「ボク、ぜひハワイに住みたいナ、サーフィンできるしぃ」と思っても、ハワイにある大学に就職できなければどうしようもない。
 そもそも、大学側が「タマタマこの分野で空きがあるので募集します」ということなので、ある大学で自分の分野での採用の可能性が出てくるのは基本的に一生に一度のことである。それに大学数も博士号取得者に比べれば数が少ない。ということで、このギョーカイにいる限り「仕事もらえるのならば、どこまでも行きます――地の果てまでも」という態勢でなければ職にありつけない。大学を選べる――つまり生活する土地を選べる――可能性は極端に少ないのである。そんなのゼイタク。もし、自分の思い通りの場所に住みたいのならば、弁護士や会計士、あるいはカメラマンなど「手に技術」というタイプの業種のほうがよっぽどいい。その意味では、教授職はかなりセッショーな生業なのである。
 それにカナダは広い。太平洋岸にあるバンクーバーから大西洋岸の一番端にある都市(ニューファンランドのセント・ジョンズ)まで飛行機を乗り継いで十二時間かかる(乗り継ぎ待ち時間を含む)。ちなみに成田からアメリカ西海岸のシアトルまで早ければ8時間半で飛べる。つまりカナダの端から端までいくのには、太平洋を越えるより長い時間がかかるのである!
 もちろん、アメリカも広い。それにハワイやアラスカといった「飛び地」もある。さらにカナダの場合、フランス語中心のケベック州もある――そこにある英語系大学で教えるならば、英仏バイリンガルの生活となる。したがって、さまざまな土地柄があって、赴任するほうも適応力が必要となる。そう、柔軟性が必要なのだ。
 北米の外に目を移そう。この業界にいる限り、英語圏なら地球中どこでも――オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、香港、シンガポール、はたまた英語がよく通じるオランダ等々――行きます、行けます、職さえあれば、ということとなる。私の知っている同業者も数多くいる、北米出身で世界にちらばったのが。そういう業種なのである、学者カギョーは。
 わたしの場合、上でふれたように、幸いにも六つの大学(すべて北米にある)から面接に来るようにいわれたので、それぞれに行った。そのうちの一つは「体感気温、零下五〇度」(いや、ホント、冬の二月で風が吹いていた)という土地。「住みごこちはどうなのか・・・・」とやはり考えさせられた。(ちなみに、その地域では零下四〇度にならないと小学校は閉校にならない――「うっそぉー」とギャルが言うかもしれないが、その開けた口がすぐに凍ってふさがらなくなるくらいサムイ。)そのほか、面接にいく先々で、ホテルに到着したらすぐに不動産チャンネルをみて当地の住宅地の値段を調べたりもした。
 また、ある大学に面接にいったとき、「この街には日本料理店が一つある」と自慢げに学部長が言うのをみて複雑な心境になったのは今でも忘れられない。ちなみに、現在住んでいる都市(カナダ)で日本料理店の看板を掲げるのは500店舗ある。そうなんです、500軒なんです!(日本人がやっていない店も数多いけど)。日本人のガイジン教授にとっては、こんなことでも気になるのだーー少なくともわたしみたいなタイプの人間にとっては。
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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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