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教授になる方法:就職活動(4完)

◆ついに採用通知

 採用通知がきたら、その時点で採用大学側と待遇(給料とか)の交渉となる。すぐ交渉になってしまうのが北米の特徴であろうか。(日本ではまずありえないであろう。何しろ、給料さえわからないまま採用されることもある、という具合だから。日本では、コレ、ほんと。)分野によっては大学の以外の職場で稼げる収入のほうが大きい――例えばコンピュータ工学や経済統計学など――ので、大学側はそれ相当の年収を提供しないといけないのが通常である。(わたしの分野である国際政治学は・・・・残念ながらそうでない。)年収に関しては交渉の余地があまりなくても、条件面で交渉できることがある(例えば、一年目の講義負担数を減らしてもらったり、あるいは研究費を少々あげてもらうなど)。
 採用通知をもらっても、大学側から提示された条件が良くなければサヨウナラできるし、実際そうする人もいる。契約をサインすればそれはできないが、サインするまでは条件の交渉はもとより交渉そのものから立ち去ることができるのである――もちろん、その結果どうなることか納得したうえではあるが。
 契約一歩手前まできて「やっぱ、やーめた」という御仁は、実は少なくはない。最近、夫婦ともに学者をやっているカップルが多い。一人が採用されるとなっても、もう片方の都合がうまくいかなければそうなってしまうのだ。もちろん、二人とも同じ大学に勤めることとなれば結構なのだが、なかなかうまくいかないのが世の常。(そういうこともあって、最近は「お二人ともどうぞ」という方針をとる大学もある。)この他、条件面でうまく折り合いがつかないといったようなことで「破談」となることも、珍しいことではない。
 つまるところ、採用通知がでたら「ハイ、おわり」ではなくて、「さあ、これから交渉だ!」ということなのである。まあ、ねばり強いです、北米の人たちは。
 で、あれやこれやを経て契約にサインしたら、あとは大学付近に住むところを見つけて引越しすることとなる。その後のことは普通の引越しと変わらない(大学によっては引越し費用あるいは住宅購入費用について援助をしてくれるところもある)。

                    ***

 「センセー、もう涙は終わりですか。お泣きにはならない・・・・」
 「いやー、もうココロの動揺はありません。大丈夫です。それよりも、自分が指導している大学院生を就職させないといけないので、もう泣いている暇はありません。(ここでキリリと顔が引き締まる。)」
 「センセー、一つ質問よろしいでしょうか。」
 「ハイ、どうぞ。」
 「いろいろ不文律などあるのですか、就職活動するときには。」
 「するどい質問!いや、すばらしい質問ですねぇ、いやー素晴らしい、ほんとうにスバラ・・・・」
 「センセー、それで答えは?」
 「ゴホン、あります、あります、不文律。例えば、採用通知をもらうまで、給料の話は応募者からは普通しません。採用通知をもらってからは、もちろん交渉の関係で給料の話はしてもOKですが。通知をもらわない限り、給料の話を切り出してもあまり意味がないし。」
 「なるほど・・・・」
 「それと、一度、採用の契約にサインしたら、そのあとで『間違いでした。採用取消ししてください、スミマセン』というのも問題ですね。それまでに辞退するなら大丈夫ですけど。」
 「ふーん」 
 「それにね、面談するときに採用側は応募者を吟味するわけですが、応募者も採用側を吟味するいい機会が面談ですよね。どのような学問やっているのか、その学部の『体質』や内部の取り決めはどうなっているのかとか、いろいろ外からはわからないことを応募者は探ることができるわけですから。ものおじせずに――しかし、折り目正しく――質問して観察すべきですね。とくにテニュア(終身雇用権)に関する内部でのルールなど。」
 「ほーっ」
 「もっと言えば(調子が出てきたゾ!)、応募者は推薦状を3通ほど提出するわけですけど、コレ、大切ですよ。学者ギョーカイはかなりの程度小さいんです。推薦状を読む側も、『ああ、この推薦者、個人的に知っていて信頼できる。あの人がこういっているなら、この応募者いいんじゃないか』などと思ってしまうんですねぇー。時には推薦者に採用側が直接電話して応募者のことを尋ねてみたりもします。そのうえ、応募者の評判を研究仲間から耳にすることもなきにしもあらず。こういったことも応募者はとりあえず心にとめておくべきでしょうね。」
 「センセー、わかりました。それで、センセーの場合、やはり・・・・奥様といろいろ相談されたのですか、就職活動の際には。」
 「あっ、アカン、思い出したら涙が出てきた・・・・」
 「・・・・・」
 「ガハハハ」
 「ちょっと、センセー、それウソ泣きじゃ・・・・もう!」       
 

                           
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テーマ : 海外留学
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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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