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ウクライナ情勢ーー英語表現の観点から気づく点

 ご存じのとおり、ウクライナ情勢が緊迫している。英語表現の観点から少々気が付いた点をのべたい。

 まず、3月2日に出された岸田外務大臣の談話である(http://www.mofa.go.jp/press/release/press4e_000212.html)。コピーは以下のとおり(和訳も外務省ウエブサイトから)。

1. The decision by the Council of the Federation of Russia on March 1, 2014 on the authority for use of the Armed Forces of the Russian Federation in Ukraine heightens the tension in the region and would harm the peace and stability of the international community. In this regard, Japan expresses grave anxiety and concern over the decision.

1 ウクライナにおけるロシア連邦軍の使用権限に関する3月1日のロシア連邦院による決定は,地域の緊張を高め,国際社会の平和と安定を損ないかねないものであり,深刻な懸念と憂慮を表明します。

2. Japan strongly expects that the situation in Ukraine will be settled in a peaceful manner and strongly urges all the parties concerned to behave with maximum self-restraint and responsibility, to fully observe the relevant international laws including the Agreement on the Status and Conditions for Presence of the Russian Federation Black Sea Fleet on the Territory of Ukraine, and to respect the sovereignty and territorial integrity of Ukraine.

2 我が国は,ウクライナ情勢が平和的手段によって解決されることを強く期待し,全ての当事者が自制と責任をもって慎重に行動し,ウクライナ領域内におけるロシア連邦黒海艦隊駐留の地位及び条件に関する協定を含む国際法の完全な遵守及びウクライナの主権と領土の一体性を尊重することを強く求めます。

 ここで注目したいのは、第二項の最初の文章の肝心なところが受身になっている点である(... the situation in Ukraine will be settled . . . .)。これは一つの技法で、主語を抜かすことにより責任の所在をあいまいにする時に意図的に使われる方法である。雑な言い方ですれば「ロシアが悪い、ロシアよ政策を撤回せよ」という名指し批判はしない、ということである。第一項でロシア批判は既に終了ずみと読めないこともないが、その第一項もよく読めば、「ロシア、その連邦院での決定を撤回せよ」とは言っていない。「そんなことすれば、心配だぞ」と言っているだけなのである。第二項のトーンも似たようなもの。

 こういうことで、外務省の真意が行間からにじみ出ている英文といえよう。

 他方、3月3日づけのG7首脳声明が出た(http://www.mofa.go.jp/press/release/press3e_000014.html)。これにはもちろん日本も署名しているが、こちらはキッチリ、ロシアを非難している。となれば、日本としては「お付き合い」でG7首脳声明にサインしたのであろうか。いずれにせよ、最近は日本政府側の態度が少々変わりつつあるような報道が見受けられる。どうなるのか関心あるところである。

 ところで、ウクライナ情勢に関してワシントン・ポスト紙 の Opinions 欄( http://www.washingtonpost.com/opinions/ )にH・キッシンジャー、Z・ブレジンスキー、C・ライスの意見投稿がでている。これらは必読。ウクライナ情勢はつまるところ、ロシアの勢力圏をめぐる西側との確執であり、現在のフィンランドのような状況(西側とは経済交流は盛んなものの、NATOの一員には決してならないというもの)が「落としどころ」というキッシンジャーとブレジンスキーの意見は傾聴に値する。ぜひ、ごらんあれ。

*ブレジンスキーの「ウクライナのフィンランド化」策は以下のサイトでより鮮明に理解できる。
http://csis.org/multimedia/audio-russia-needs-finland-option-ukraine
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テーマ : 英語
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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