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シラバス、あなどるなかれ(1)

 シラバス( Syllabus )は普通、履修要綱と日本語訳されている。とある科目についての学生向け解説文書で、講義プランや指定教科書、さらには提出物(論文)の説明など述べてある。いわばその科目に関する基本的情報を提供するもの――というのが伝統的な日本の「履修要綱」である。日本のものは、その量、A4半分から一枚ぐらい。
 北米のものは、もっとくわしい。もっと長い。そして「教員と学生との間の契約」ともいうべき法的文書としての性格さえ持つことがある。
 ということで、このシラバス、北米のものはチト性格が複雑なので、わたしの科目を例として解説しよう。もちろん、大学、学部、教授、さらには科目によって具体的内容は異なるので、その点はご承知願いたい。

◆シラバスの中身

 まず、日本語でいう履修要綱、つまり登録前に学生が参照する上記のような解説文書は、うちの大学ではコースアウトラインと称している。A4一枚の大きさで、講義時間、科目の概要と基本目的、科目担当教員の名前・連絡先・オフィスアワー(研究室を訪問して質問できる時間)、履修条件(例えば政治学入門科目を終了していなければならない等)、指定教科書と参考文献、それに採点のうちわけ(テストX%、論文Y%等々、 総計一〇〇%)などが書いてある。
 これをみて、学生たちは「さて、どの科目をとろうか」と思案するのである。
 で、講義一日目に実際にクラスで配られる(あるいはそれまでに入手する)ものがシラバスである。そこにはコースアウトラインと同じ情報のほか、次のことが書いてある。

(1)各週ごとの具体的学習プラン。
 教科書ならびに参考文献のどの部分を各週読んでこなければならないのかキッチリ指定してある。学生はその部分を読んできてから講義を聴くこととなる。

(2)採点に関する手続き上の方針とルール。
 たとえば、テストに関していえば、どこからどの部分がテストの範囲に入るのかとか。論文提出が義務づけられている場合、選べるテーマの範囲、論文の長さ、使用可能なフォーマット、提出場所、締め切り、それに締め切りより遅れて提出した場合のペナルティーに関する方針なども明示されている。その他、発表(プレゼンテーション)がカバーすべき事項や講義欠席に対するペナルティー、ならびに(論文以外の)レポートなどの諸アサインメント(採点対象になる諸活動)に関する基本方針が述べてある。

(3)その他。
 わたしが所属する政治学部の場合、カンニングに対する方針をシラバスに明示しなければならないこととなっている。加えて、障害を持っている学生に対して論文締め切りを延長するというような処置は可能であるが、大学のルールがあるのでそれをシラバスであからじめ示したりもする。あるいは体調不調、事故、家族の不幸の場合などで欠席したり締め切りに間に合わない場合、どのような採点方針となるのかもキチンと述べる。このような様々な情報と対処方針がシラバスに書き込まれる。

 要するに、「その科目に関する基本情報がすべて記入されている」のがシラバスである。それを読めば「よくある質問」に対する答えが見つけられる、という趣旨の文書ともいえようか。(もちろん、(3)に示すようなことは一括して「xxxxのウエブサイトを見よ」と一言ですますことができる。)実際、学生の質問に答えるとき、「シラバスのX頁を見ればわかるよ」というときが多い――「もうっ、シラバス、しっかり読めよ・・・・」とココロの中では思いながら。

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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