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シラバス、あなどるなかれ(2)

◆ルール通達が大切

 実は上でいう(2)が重要なのである。
 そう、ルールの明示。
 講義を円滑に運営するためには、ルールをシラバスという書きものに明示するのが賢明と思う。なにか事態が起これば、対応する際に適用されるルールがあらかじめ明確に示してある。だから、学生側の不安もなくなる。また、ルールは全ての学生に例外なく適用されるので、学生間の不公平感も起こらない。教授の立場からみても、いちいち学生が持ち出す「特殊要因」に振り回されなくてすむ。ということでルールが明快であれば、教授・学生ともに講義そのものに専念できるのである。
 とくに学生間の不公平感は避けるに限る。とある学生が持ち出す「特殊要因」に振り回されて、その学生を特別扱いしたならば、学生の間にその話はパッと広がって、別の学生が「なんであの人だけ特別扱いなのか。わたしも特別扱いしてくれ。」と要求されかねない。そんなことにならないためにルールがある。
 例えば(論文の提出)締め切りに関する取り決め。
 締め切りに間に合わないとペナルティーが科せられるのが普通である(例えば一日遅れるごとに減点二点とか)。締め切り間近になったり、締め切りが過ぎた後に、いろいろいってくる連中、ペナルティーを避けたい連中が出てくる。少しでも点数を上げたい(減点を避けたい)のだ。だから出てくる。

 「教授、怪我したので締め切りに間に合いません。」
 「なるほど、それは大変でしたね。早い回復を祈ります。シラバスに書いてあるように、医者の診断書のコピーを添えて論文を提出してください。遅れてもいいから。それがあればペナルティーは課せられませんから。それがルール。」
 「・・・・・」
 「ん?どうしました?」
 「教授、実は・・・・怪我ではなくて、叔父が亡くなって・・・・。」
 「君、この前も叔父さんが亡くなくなりましたねぇー。叔父さん、何人いるの?」
 「・・・・・」
 「論文出してください。遅れれば、シラバスにあるとおりのルールでいきますから。」

 もちろん、大半の学生はキチンと締め切りを守る。あるいは、締め切りを見逃しても、潔く減点を受け入れる。が、たいへん少数ながら、そうでない学生がいるのである、これがまた。ズルしようとする輩が。
 いうまでもなく、シラバスを配布した段階(つまり第一講)で内容や趣旨をミッチリ説明する。徹底的にする。「家に帰ってから、もう一度眼をとおして質問があれば、遠慮なくわたしに尋ねること」とも伝える。「電子メールでもいいから」とまで言う。「ルールは君たち一同、一律に適用される。そうでなければ不公平でしょ?」とも。 それでも出てくるのである、上のような「言い逃れでもなんでもするタイプ」の学生が。
 締め切りに関するエピソードはまだまある。
 星の数ほどある。
 現在の勤務校で教え始めたとき(一九九四年九月)、わたしはたいへんはウブで、わたしの締め切りに関するルールは「超」がつくほど簡単なものであった。「何月何日が締め切り、ヨ・ロ・シ・ク♥」とかいう感じのもの。
 これがいけなかった。
 敵もさるもの、「えっ、そんなんアリ?」というような奇抜な作戦で攻めてきたのである。それごとにルールを付け加えなければならず、半ばイタチごっこのような様相さえみせた時期もあった。例えば、次のような学生がわたしの科目にいた。

その一 「『一日遅れればX点減点』というルールを『これは平日のみで土日曜日は該当しない』と言い張り、少しでもペナルティーを減らそうとした学生」

その二 「締め切り日の夜十二時前にファクシミリで論文を送ってきた――それで『締め切りに間に合った』と臆面もなく主張した――学生」

その三 「(締め切り日が過ぎたあと)わたしが不在中、いつのまにか研究室のドアの下の隙間から論文を滑り込ませて『提出した』学生」(いつ提出したのかわからないのでペナルティーのつけようがない。)

 とまあ、このような具合。まるで漫才かマンガ。アノ手コノ手でくるのである、近頃の学生は。
 そんなに「ルールの抜け穴探し」に知恵が回るのなら、その分、勉学そのものに力を入れろよ、といいたかったぐらいである。
 しかし、上には上がある――いや、下には下がある、と言ったほうがいいかもしれない。
 次の話は、わたしの同僚から聞いたもののなかでも極め付き。
 提出締め切り日までに論文を完成できないと悟った学生が、時間かせぎのためにある作戦を実行した。まず、締め切りの日に大学の守衛さんのところに行って、守衛さんをうまく言い丸めて「X月Y日受領」のスタンプを論文の表紙に押してもらった。もちろん、中身は未完成。締め切り日から大幅に遅れて論文を完成させ、夜に担当教授の研究室にいき、ドアの下から論文を滑り込ませておいた。で、この学生、「締め切り日にキチンと出した」とヌケヌケとシラを切ったのである。
 なぜ、バレたかって?その学生の友人がチクったらしい。
 このエピソードの後、教員全員で共通ルールを作ったので、このようなことはない――ご心配なく。

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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