スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シラバス、あなどるなかれ(4完)

◆アジアの大学のシラバス

 わたしはアジア系ガイジン教授であるので、「アジア屋」といおうか、「アジアのことは、よーく知っているんでしょ」と大学では思われているらしく、アジアの大学での単位に関する相談がよく舞い込んでくる。
 例えば、うちの学生が交換留学制度を使って一年、アジアの大学に滞在して帰ってきたとする。で、その留学先の大学でとった科目の単位をうちの大学で認めるのかどうか、認めるとすれば何単位に相当するのか判断しなければならない。このような仕事がわたしのところに回ってくるのである。
 そうなれば、そのアジアの大学でとった科目のシラバスを見る必要が出てくる。科目の趣旨内容はもとより、一週間何時間の科目なのか、何週講義があるのか、教科書は何を使ったのか、毎週どれぐらいの読書量が要求されたのか、テストや論文はどのようなものが課されたのか、科目の内容レベルは何年生のものに相当するのか等々の情報が当然、シラバスに出ている・・・・はずなのだ。
 ところが、おうおうにして困ってしまうのである。
 学生に「シラバス」を出さしてもピンとこないものが多い。英語がまずいのもあるが、そもそも掲載されている情報量が少ないのである。伝統的な日本の「履修要綱」程度。上で触れたコースアウトライン程度のものであれば(毎週毎週の講義計画が書いてなくても)、なんとか単位数を換算することができるのであるが、そこまでいかないものもある。
 なかには指定教科書のところに「プリント配布」としか書いていない。「なんやコレ!?」と思わず目が点になることもしばしば(またまた「ひこにゃん」のアノ、目)。
 まあ、わたしも一九八〇年代前半に日本の学部生であったので、アジアの大学のことはわからないことではないが・・・・。
 仕方がないので、その大学のウエブサイトに行って検索することとなる。たいていはシラバスがサイトに出ていない。(少なくとも、その大学の英語のサイトには出ていない。現地語のサイトには出ているかもしれないが・・・・日本語・英語以外はわたし判読できない。)
 「えっー、うそぉー、そんなのぉー」などと、画面そこらじゅうをクリックしながら、最後は「ハァー・・・」となってしまう。
 こうなると最終手段に訴えるしかない。学生にその科目で配布された資料、ゼーンブ提出させるのである。それをいちいちチェックする。これまた時間がかかるんです。けど、仕方がない。
 もちろん、北米式のシラバスを作成するアジアの大学は存在する。しかし、往々にして「なんやコレ」式のものに今でもおめにかかるのだ。それで、以上のような「解読作業」をせざるをえないこととなる。
 えっ、日本の大学のシラバスはどうだって?それは読者のみなさんのほうが良く知っておられることでしょう(といって責任逃れする、このわたし)。

◆大学院レベルのシラバス

 ここまでの記してきたことは学部レベルに関してであるが、大学院レベルのシラバスになると、性格がずいぶん異なる。このレベルになると、「ズル学生」や「イチャモン学生」の問題は大概は気にしなくていい――例外はある。が、話せばムチャクチャ長くなるので、ここでは「大学院生は皆、素直」ということにしておこう。
 大学院の科目はやはりプロとなる人向けなので、その分野に関する重要な事柄がシラバスには「ギューギューの箱詰め」になっている。その意味でたいへん貴重な情報源なのである、シラバスは。
 例えば、どのようなテーマが網羅されているのか、どのような文献が使われているのか、参考文献リストの内容はどうなっているのか等々の情報を拾っていけば、その科目が代表する分野のことがよく見えてくる。
 実際、学会のウエブサイトにいけば、シラバス集のページがあったりする。このようなところで高名な学者や有名な学部が使用しているシラバスをみれば、「学問の最前線」が見えてくる。また、(これは学部レベルにも当てはまるが)新しい科目を一から作るときなど、同業者のシラバスを見ることによって、どのような教科書が現段階では良いものなのか理解できる。
 最近はインターネットのおかげで同業者のシラバスが簡単に読めるので、大変便利になった。シラバスは学者カギョーにとって、ありがたーい情報源なのである。

                 ***

 「教授、新提案があります。」
わっ、イチャモン学生が帰ってきた。

 「また、なんですか?」

 「教授、新提案して採用されれば点数アップ、というのはどうでしょうか?」

 「・・・・・」

 「ねっ、教授、良いでしょ、この案?」

 「そしたら、学生が提案して、それが却下されれば減点ということですね?」

 「えっ・・・・。」

 「やはりそれが公平なんではないですか。点数アップもあればダウンもある、というのが。例えば、前にあなたが出した提案、あれは却下でしたね。となれば減点・・・・。」

 「そのぉ・・・・・。」

 「キミキミ、こんなことを考えるヒマがあれば、その分、勉強のほうに回しなさい。」(どうだ、一本とってやったゾ!)

イチャモン君、すごすご撤退していった。             
スポンサーサイト

テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

コメント

非公開コメント

プロフィール

プロフェッサーX

Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。