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「クール・ジャパン」を教える(1)

 日本に帰国した際の叔父・叔母との会話。

 「なにカナダで教えてんの?国際政治学だけか、ほれ、舛添さんのあれ?」

 「そのほか、日本のことも教えんねん。」

 「日本語か?」

 「ちゃうちゃう。日本語はその道の専門家が別にいて、その人たちが教えるねんワ。僕がおしえるのは日本の政治外交、経済、それに文化や歴史や。まあ、広く浅く。『日本入門』というかんじ。」

 「日本の歴史や経済はだいたいわかるけど、文化はなにを教える
ノン?」

 「まあ、一般的なことや、たとえば宗教、教育、『和の精神』とか。」

 「テレビとかマンガは?」

 「うん、最近は、それが人気あるテーマ。」

 「しかし、マンガ読むんか?大学で?」

 なかなか鋭い質問です、オッチャンにオバチャン。
 日本の文化――とくに大衆文化――をどのように教えるのか、わたしの経験を記すこととしよう。

◆「クール・ジャパン」現象

 「クール・ジャパン。」英語で書けば Cool Japan で「カッコイイ日本」という意味である。
 なにがカッコイイのか。
 センスがある、粋である、見栄えがよい、とかいう意味のカッコイイで、ちょっと昔の「経済力がある日本」とか「エキゾチックな日本」とはチトちがう。カッコイイ、という言葉が若者を連想させるように、クール・ジャパンという印象を持つのは海外の若者層である。
 そして、これらの連中にとって日本のカッコよさとは、つまるところ連中が慣れ親しんだ日本の若者文化・大衆文化のことを意味する。マンガやアニメ、ゲーム、キャラクター・グッズ、JPOP、さらには寿司などの日本食のこと。
 ここカナダでもマンガは 「グラフィック・ノベルズ」(Graphic Novels 劇画小説とでも訳せようか)として本屋に出回っている。日本のアニメも英語に吹き替えられて放映されている。日本発のタマゴッチなどの製品もその昔ヒットした。
 寿司も健康食としてだろうか、大変人気がある。(といっても、すこし怪しい「スシ」もあるが。)
 実は、わたしの大学でもマンガ・アニメ好きの学生同好会がある。年に一回キャンパスで大掛かりな大会を開いて、学外からも人をまねき、コスプレ大会などもしているようである。(たしか、日本の総領事も招待されてスピーチされたようである――どのような服装でスピーチされたかは知らないが。)
 日本語学習に関しても、最近はこのような日本の若者・大衆文化に触れることがきっかけとなって「日本語を学びたい!」という学生が増えている。その昔のバブル期(一九八〇年代後半)では「経済が強い日本、その言葉を学べば就職にも有利かも・・・」という、冷めた理由で日本語に飛びつくものたちが多かった――今の中国語学習熱も似たような現象であろう。そういう打算的な動機ではなく、「あの慣れ親しんだマンガ・アニメを日本語のオリジナルで理解したい」という好奇心型の動機が現在の日本語学習熱の背景にあるようである。
 で、この「クール・ジャパン現象」、とくにアジア系カナダ人に顕著にみられる。彼らのなかには幼少のころ、あるいは小学校のころにカナダに移住してきたものが多い。ということで、アジアにいた頃から日本の若者文化・大衆文化になじんでいた。それが大学生になるまで延々と続いてきたということであろう。
 わたしが教えるアジア系女学生のなかにも「ハロー・キティ」の筆箱をもっているものが何人かいるが、「なぜキティーがいいのか?」と尋ねても、返ってくる答えは「ずっーと子供のころからキティー・グッズに囲まれているので、取り立てて特別な理由はない」というのがほとんどである。中国系の人たちで賑わうショッピング・モールなどでは、サンリオ系グッズなどを売っている専門店があるし、DVDとかも日本のものを売っている。
 もちろん、最近はインターネットが発達しているので、カナダにいてもどんどん日本の情報が簡単に手に入る。

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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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