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偽の学者像、真の学者像(3)

◆いつでもどこでも

 どうですか、皆さん。これら、ゼーンブするわけ――まだいくつか書き残したが、おわかりいただいたであろう。ヤリクリが大変。この点では他のギョーカイとほぼ同じである。
 もちろん、仕事の時間の他に、家族との時間や趣味の時間をみつけなくてはならない。しかしそれが難しいから離婚が多いのである、わがギョーカイでは。最大の問題は、仕事とそれ以外の時間の切れ目がないことなのだ。
 説明しよう。
 研究活動の一部(例えば執筆)は大学の外でも、そして一日中いつでも可能である。実際、電話がかかってこない朝五時から自宅で執筆するという同僚はかなり多い。大学のセンセー稼業は、拘束時間が比較的少ないかわりに労働量は多く、かつ不規則。気をつけないと、それこそ週末も夜中も「仕事・仕事・仕事」となる。いや、ホント。
 その上、オツムの働きは拘束時間と関係ない。
 実際、研究上のヒラメキがうかぶのは就寝まえということが大変多い
――これは皆さんも経験がおありでしょう。そこでメモ用紙とペンを枕もとに置いておくこととなる。
 ベッドに入り、うつらうつらするときに、パッとアイデアが浮かぶ。

「ああ、眠たいから明日、朝おきてメモればいいや」

というのはいけない。朝起きたらその時点では忘れてしまっている。であるから、夜、「うつらうつら、アイデアがパッ、ゴソゴソとメモ・・・」ということになる。
 その他、シャワーの最中に「アイデアがパッ」、散歩の最中に「アイデアがパッ」と起こる。
 緊張が緩んだときに起こるのである、これが。大脳生理学上、そうなっている。
 で、この「パッ」であるが、いつでも対応できるようにメモ帳をいつでも持っていて、それにアイデアを書き留めている。たったの一言なのであるが、書き留めないと忘れるのだ――中年の悲しいところである。
 ということで限りがない。切れ目がないのである。「大学教授になる」というのは、こんな生活様式(ライフ・スタイル)を選ぶことと言える。
 で、学生とかは「センセー、研究室にいないから遊んでいるんでは?」とか思う。
 チ・ガ・ウってば。
 拘束時間にマッタク関係なく、学者(文系)は常に仕事モードなのであるーーだからウツ病におそわれやすい。
 その反面、勤務評定はキッチリある。どこで仕事(研究)していようが、結果を定期的に出していないと沈没となる――つまり、昇給なし。(給料はそんなに高くない――と思う、これまでの学歴や実際の仕事の量などから判断すれば。)

 「けど、クビ、ならへんやろ?」

と父がここでツッコみを入れそう。
 うちの大学では二年ごとに勤務評定があって、そのたびごとに五段階評価を受ける。二回連続で最低評価(昇給なし)を受ければ、クビというルール。
 まあ、たいがいのセンセーはそこまではいかない。その前にウツ病とかで長期休養を取っている――というのは半分冗談で半分本当だが、教授たるもの、最低評価を一回でも受ければ奮発して、次回はそれ以上の評価を獲得するものなのだ。
 しかし、大学の経営がむずかしくなってクビが切られる、という可能性も皆無とはいえない。例えば、カナダの場合、ほとんどが公立大学だが、歳入のうち授業料が占める割合はおおまかにいって三割、残りは政府からの支出金などでまかなわれている。政府が「健全財政のために支出サクゲーン」などと言い出してそれが長く続くと大学の収入がガクッと減ってしまい、そのアオリで人員削減・学部整理(つまり解消)が行われることがある――その前に給料凍結あるいは削減があるが。
 保守党が政権をとったオンタリオ州で、大学教員五二歳以上はすべて「肩たたき」(早期退職)の対象となったのも、そう前の話ではない。うちの州でも二十五年ほど前は、財政カットの結果、かなりの教員が辞めたり、あるいはアメリカなどに移っていったりしたらしい。今現在、アメリカで一番大きい公立大学システムを持つカリフォルニア州(バークレー校やロスアンジェルス校などが日本では知られているだろう)が、財政難でいろいろ苦労していると聞く。(ちなみにアメリカの私立大学でも同様で、わたしが博士号を取得した某大学でもしかり。)
 ということで一般企業よりは雇用が安定しているものの、完全に安定というわけではないのである、うちのギョーカイも。

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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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