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GPA(3)

◆GPAを比較するには

 どう、まだ頭いたい?ちょっとはマシ?あとすこしだからガマンして・・・・。

 北米では大学によってGPAの具体的な計算方法は異なるものの、たいていは似たような発想で計算されているので、一定の交換式(コンバージョン式)を使えば、A大学の学生のGPAとB大学の学生のGPAとの比較は可能である。実際、大学院入学審査の際に、そのようなことは行われている。それ用のコンピューター・プログラムもあるぐらいである。
 もちろん、ある大学の「A」と別の大学の「A]では質が違うので、本当の意味での比較できないのではないかという懸念は残る。しかし、残念ながらそのような差は訂正しようがない。
 ここで、「それは、大学の評判というものを考慮することによって対応できるんジャーないんでショーカー?」と頭痛から復活したあなたは思うかもしれない。
 一見もっともな意見ではあるが、実行に移すのはむずかしいのが実情である。そもそも、正面から「あなたの大学の『A』は本当の『A』の価値がないですね、だから『A-』としか認めません」とか絶対いえない。そんなの口に出せばブッ飛ばされてしまう。そして、そんなことを公に認めるような大学も存在しない。まあ、当然といえば当然。ネっ、わかるでしょ。
 もっといえば、同じ大学内でも学部ごとに「A」の重みが違う。いや、コレほんと。
 たとえば、うちの大学では各学部ごとに出す成績の比較統計を出している。これを見てみれば、「あれ、あの学部、なんでこんなにポンポン『A』を出すの?」というのもあれば、「わっ、あそこの学部の学生、かわいそう。こんなに『A』をとるのが厳しいんだったら学内奨学金レースに誰も勝てないんじゃない?」というのもある。
 「えっー、ウッソー」と頭痛なんか忘れてしまったあなたは思うかもしれない。しかし、この問題は、ある程度は学問分野によって「A」の難関度が異なるという事実から由来している。したがって、どの学問分野にもあてはまる「絶対基準」というものはなく、そんなもの、大学内で強制できない。「Aをだすかださないか」は各学部の判断に任せるしかないのである。
 「では、同じ学部内における教授間の差はどうなんですか。『点にカラーイ教授』や『楽勝科目』のセンセーもいるじゃないですか」とあなたはカランでくるかもしれない。
それは学部長レベルで調整・指導できることであって、これは政策でもって対応できる。
 例えば、うちの大学では成績はすべてデーターバンクに収めてあるので、各コースごと、さらには各学部ごとの統計データが分析できる。つまり、ある学期において、政治学部ではどれだけの割合で「A」を出したのかいうようなことがわかる。そのようなデータを眺めれば、その学部における過去一〇年ほどの成績分布パターンが見えてくるのである。
 で、ある教授の採点パターンが、その過去データの平均パターンから逸脱していれば、学部長はその教授を呼びだして、「キミキミ、しっかり採点しなおしタマエ」と命令するわけである――うちの学部では学部長がOKしない限り、学生の成績は正式なものとはならない。
 幸い(といっていいと思うが)、過去一〇年ほどのデータをみていても、うちの学部での成績全体像は極端には変わっていないと思われる。というのも、特にアメリカの大学で問題になってきているのは、その極端な変化なのである。
 これがいわゆるグレード・インフレーションの問題。
 「昔と比べれば最近の教授は簡単に『A』を出す」
 「昔と比べれば、『A』が簡単にとれるのでその結果、GPAが高い」
 「だから『A』の価値が落ちた」
というのがこの種の問題である。
 「GPAの束縛」下にある学生は、より良い成績を教授に「要求」する傾向にある。「なぜ、これがAでなくてA-なのか」「なぜ私がBで、あの人がB+なのか」と教授が学生に詰め寄られることも多い。
ホントに多い。
 だから、教授側としては、そのような説明をできるような採点方法を考えなくてはならない。
 「プロであるこのわたしが、判断力でもって採点したのである。文句あるか。」
と(いいたくても、そうは)はならず、教授の権威は落ちたのである。
 あるいは奨学金競争などにおけるGPAの大切さを教授は充々しっているので、つい点が甘くなることもあろう。
 あれやこれやの圧力の結果、グレード・インフレーションが起こってしまう。「昔だったらCであたりまえ、Bでも御の字なのに・・・・」という愚痴を古参教授から聞くことも稀ではない。アメリカのアイビーリーグと称されるエリート大学でも、この問題に取り組んでいる。
 ということで、これまで述べてきたように、成績に関する状況は、実はたいへんビミョーなものがあるのである、いろんな面で。

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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