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GPA(4完)

◆北米以外のGPA

 ところが、問題はこれで終わらない。
 「えっ、まだあるんですか。頭痛が・・・・」
そう言わずに、あなた、もう少しおつきあいのほどを願いたい。

 北米の大学以外の学生の成績を北米GPA方式に正確に転換するのは、たいへん難しい。もちろん北米方式を採用している大学は別である。しかし、日本の伝統的な「優・良・可」式の成績表と似たような方式をとるアジアの大学の成績表をGPA方式で正確に現すのは事実上無理に等しい。
 だってそうでしょ、「優」が「A」で「A+,A、A-]となっていないんだから。(日本の「優」の範囲は普通八〇点から一〇〇点と二〇点もあり、たいへん幅広く、北米でいうAとA-も両方とも「A]となる――AとA-との差は北米の文脈では大変おおきいのだが。)
 他方、伝統的なイギリス方式は「一〇〇点満点中七〇点以上がファースト・クラス、それ以下はセカンド・クラス」というもので、これまたGPA方式に転換はできない。例えば、六十九点と六十五点とでは大きな差があるらしいが、門外漢にとってはピンとこないのである、この四点の差が。
 世界各国で、どの成績が北米の大学でいうAにあたるのか、Bにあたるのか等々の一覧表は存在するものの、それまでが限界で、よりくわしい国際比較はむずかしいのが実情といえよう。
 その上、北米の大学人からみて少々悩ましい問題は、日本をふくめて外国の大学の成績表の中には体育実技の成績が含まれていることである――北米では普通、そのような科目はないのだから!
 さらには、非民主主義国の大学では事実上の「政治教育」らしき科目もある。国が違えば制度が違う、というのは成績表についても真理といえようか。

◆採点する側からみれば

 では最後に採点する側から見た苦労話を一つ。

 前に、学生が高い点を要求してくると指摘した。制度としては、もらった点に不服であれば、学生は教授を相手どって学部長に再審査を要求できる道が開けている――少なくとも、うちの学部では。
 別の教授が採点しなおすこととなるのだが、その結果、必ず点が上がるとは限らないのがミソ。点が変わらないこともあれば、下がることもある。そう、下がるのである、アナタ。だから、学生がポンポン再審査を要求する、ということにはなっていない。
 高い点への王道はもちろん勉強すること。だけど、ズルい道を選ぶ者もいるのが残念ながら現実である。
 そう、カンニング。
 ずいぶん前にアメリカかカナダの新聞にチラリと出ていたが、現役学生にアンケートしたら五〇%以上、つまり半分以上の回答者が(見つかったかどうかは別にして)「実は・・・前科あります」と正直に答えたとか。(出典は忘れてしまった。申し訳ない。最近、モノ忘れがひどくて・・・・。)
 テストのカンニングが見つかれば、もちろんテストは0点。その科目も0点。記録は永遠に学内で保存されて、再犯者は退学となる。
 論文にも「カンニング」があり、他人が書いたものをいかにも自分が書いたもの、として提出するとそうなる。もっともヒドイのはインターネットを通じて論文を一本丸々購入するというものだが、だれかが書いた物の一部でも、引用ルールに従わないでコピーすると、バツとなる。いずれにせよ、「コレは怪しい」となると、採点する教授は(時間がかかるものの)執筆した学生を呼び出したりして徹底的解明を図らざるを得ない。
 カンニング手法も技術の洗礼を受ける。
 インターネットが発達するにつれて、別の大学の学生が執筆した論文を探し出し、それを一部コピーするという新手の盗作ワザが出てきたのである。
 しかし、「蛇の道はヘビ。」それに対抗するサービスを提供する会社が現れ、今では多数の大学が顧客となっている。ところが、これに関しては、知的所有権の問題など様々な法律的問題が絡んでおり、ついには訴訟問題までになってしまった。
 ということで、採点にまつわるこれらモロモロの点に関するルールを学生に周知させて、「清く正しい、そして公正な学力審査」が運営できるよう、各学部や大学は様々な手立てをうっている(たとえば各コースのシラバスに必ず「警告」を入れるなどして)。各教員レベルでも、あの手この手で対策を練っているのが実情である。

 ということで、GPAや成績をめぐる教授側からの視点、少々はおわかりいただけたであろうか。採点そのものに関してはマダマダあるが、それは別の機会に。


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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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