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教授になる方法:博士プログラムに入る(2)

◆願書作成のヒント

 さて、ここから秘伝をお教えしよう。ヒ・デ・ン。もし、あなたが電車の中でこれを読んでおられるのであれば、顔をチョっとあげて隣の人がのぞき読みしていないかどうか確認してください。特に、隣のオヤジ。そんなオヤジがいたら、キッとにらんでやってください。 
 で、わたしも自分の学生によく言うのだが、いざ入学申し込み、という段階においては、過去の成績は変えることはできない――もういくら悔やんでも仕方がない、号泣しても成績は変わらないのである。また、推薦状はお世話になったセンセーたちに書いてもらうので、その中身はどうすることもできない。センセーたちに、この段階でおべっかしたりゴマをすっても既に手遅れ。
 ただし、ただしである。推薦状に付ける所定の書類に欄があって、そこに
「この学生を大いに推薦します」
「この学生を推薦します」
「この学生は推薦しません」
とある。あなたの推薦状を書くセンセーは、これらの三つのうち一つを選んでそれに丸をしなければならない。そこで、あなたを推薦してくれそうなセンセー、そんなセンセーに推薦状執筆をお願いしないと・・・・ 
 これこれ、笑ってはいけない。あなたが関西人なら「なにそれ、そんなんトーゼンやんか」といわれるかもしれない。しかし、コレ、当たり前のようで当たり前ではないのである。
 実際、「この学生は推薦しません」に堂々と丸がついてある推薦状をこの目でみたことがある(わたしが入学審査員していたとき)。それも一度や二度ではない。皆さん、そういうセンセーもいるのだ、この世の中には――わたし自身はそんなのに丸をしたことはないが。
 推薦状はともかく、学生自身の力でなんとかなるのは論文と入学動機書である。
 まず、論文。
 論文提出義務の趣旨は「あなたが今まで一生のうちに書いた最高の論文、あなたの実力のほどを証明する論文を提出してください」というものである。だから審査員側の期待も高い。
 だから、「これ、A+もらったのよ――学部三年生のときに書いたものだけど」とかいう論文はダメ。A+でも三年生のレベルは、博士プログラム入学レベルとは雲泥の差である。たいていは、どこかで既に活字になった学術論文の抜き刷りとか、学会で発表したもの、あるいは修士論文・(学部)卒業論文とかまさに「自信作です、コレ」といったたぐいのものが相場。
 おっと、いい忘れていた――この提出すべき論文、英語で書かれたものである、もちろん。
 「なにそれ、そんなんトーゼンやんか」とまたまた聞こえてきそうであるが、カナダの場合、英語圏の大学にフランス語で書いた論文を送りつけてくる学生もいるのである――フランス語も英語同様、カナダの公用語なので(どうだ、まいったか。ということでトーゼンとも一概にはいえないのだ)。
 そして次は入学動機書。
 これがまた一筋縄ではいかない。「そんなん、入学したいのは勉強したいからに決まってるヤン。一行でおわりやんか。他、なに書いたらいいのん!」と関西系ギャルならば言うかもしれないが、そういわずに審査側が知りたいことを書き綴らなければならない。
 それは何か?
 まず、数ある博士プログラムの中でも、なぜこのプログラムを選んで入学したいのかという問いに答えなければならない。たとえば、あなたの研究テーマはかれこれで、その分野の権威である教授がそのプログラムに在籍しているとか、キチンと説明しなければならない――そのためには、応募する博士プログラムの内容を徹底的に下調べすることが必要となる。
 さらには、正面だっては言わないが「なぜ数ある入学希望者のうち、あなたを選ばなければならないのか」という問いは常に審査員の頭の中にある。そこであなたは他の人にない技能(たとえば三ヶ国語話せるとか、ボランティアをやっていて実務経験と学問を融合できるとか)をアピールしたり、名誉ある賞の受賞暦に触れたりして「売り込む」必要が出てくるのである。これらをぬかりなく、そしてさりげなくする機会が入学動機書、こういうわけである。
 「ただ勉強したーい」というのではダメ。それは、就職面接でその企業のことをしっかり調査しないで「仕事ちょうだーい」というのに等しい。「水も漏れない」ような説得力がある、文句のつけようもない入学動機書が望まれるわけである。

◆応募と結果通知

 こういう風に申込書類をそろえて、入学審査料ともども数校に応募する。応募する博士プログラムの内容をシッカリ把握した結果、めぼしいもの数校に絞るのである。(自分の研究関心テーマをピッタリ指導できる教授を抱える大学ははそんなに多くはないので、数校程度となる。)
 ということは、各博士プログラムの内容をよくよく調べることが必要で、これは時間がかかる。そのほか英語論文の準備・改訂などもあるので、よけいに時間がかかる。そのうえ、入学動機書を書きあげるのに時間がかかる。加えて、外国人学生だとTOEFLとかの準備もあるので、もっと時間がかかる。それに必要であればGREも。ということで、時間がかかるのである、とにかく。かれこれ準備期間として最低六ヶ月、できれば一年ほどは見ておかなければならない。
 ちなみに一・二校のみにしか応募しない、というのは少なすぎる。絶対合格できるという自信があるから、そんなに絞りこむかもしれないが、博士プログラム入学審査というものは「水もの」の側面もあり、そのような作戦は危険である。というのも、実力があってもかならず合格するとは限らないからである。
 入学審査プロセスも就職プロセスと同様に、申込者がコントロールできない要因に大きく影響される。例えば、同じ大学でも入学応募者全体の質は毎年同じではない。入学者は全員ランクづけされた上でトップ何人かが選ばれるわけだから、応募者全体の質が変われば同じAさんのランクも毎年違うことになるわけである。つまり同じ大学に同じ申請書類を送りつけても、入学審査結果は年によって異なることとなる。
 このような「運」ともいうべき要因があるので、一度に数校の大学院に申し込んでおかないとどこからも合格がもらえないという可能性が出てくる。そうなれば最悪。
 で、首尾よく複数の博士プログラムから合格通知がくれば、それらを比較して一番よい条件の大学を選ぶこととなる。どの教授のもとで学びたいのかということももちろん重要だが、どれだけの奨学金がもらえるのかという点も無視できない。なにしろ授業料だけでもべらぼうな金額がかかる。アメリカの私立大学では一年間三五〇万円はかかる。もちろん、それとは別に生活費が必要である。
 ということで、もし、奨学金がない合格通知がきてもそれは事実上、不合格に等しい。もちろん、自分で学費を工面できれば話は別だが。
 ちなみに、別々の大学から合格をもらえば、お互いに競争させてもっと大きな奨学金を引き出すことも北米では普通である。大学もそれは十分に承知していて、それ用の予算を組んでいる。同じ学生(それも良質の学生)がライバル校からも合格通知をもらっているというのは想定ずみで、それを前提にしていわば学生争奪戦が展開されるのである。 
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テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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