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日本の大学の競争力:就活がネック

オリンピック、おわりました。この次はパラリンピック。
街のほうも落ち着きをとりもどしました。
 今回は日本の大学の国際競争力について思うところを記します。

******************

 つねづね思うのであるが、日本の大学キョージュの方々、つまり私の同僚には脱帽する。その仕事量、本当に頭がさがる。半端じゃない量。すさまじい。私にはとうてい対応できそうもない。このブログでも以前、私の仕事量を紹介したが、そんなの比較にならないぐらい、皆さん活躍しておられる。
 それを横目でみながら、思うことがある。教育制度としての日本の大学、そしてその国際競争力について思うのである――理系はわからないので、文系の話。
 ズバリいおう。国際競争力は弱い。教育制度として弱い。北米の大学と比べて弱い。
 実はその一つの大きな原因は日本の大学制度そのものにあるのではない。そう、大学の外の要因なのである。なので、日本の大学のセンセー方はウカバレナイ。
 それはなにか?
 学生の就職活動、いわゆる就活、これである。
 これがとんでもない害を及ぼしている。
 就職先を探すという活動自体が問題なのではない。現時点での「そのやりかた」が本来の学業と抵触しているのだ。だから、学生は十分に学術訓練を受けることができない。そんな邪魔が入らない北米の大学では、より恵まれた学術訓練が学生に対して施されるというわけ。
 よーくみれば、「3月卒業後、4月1日に入社しないとダメ」という日本企業の慣習がその問題の源なのである。
 このルールがあるから大学在学中に学生は多大なる時間と費用を費やして就職活動することとなる。最近では早ければ3年生の半ばから始まるとか。
 そうなると3年生後半という一番「油がのる」時期のほとんどを就職活動に集中させるのが学生生活の一般的パターンとなる。
 で、就職が決まってしまうと「なんでわざわざ勉強する必要があるのか(やる気がでない)」となるか、あるいは基礎ができていないので3年生レベルのまま卒業。
 他方、論文執筆という訓練を北米の学生はいやほど受ける。
 論文執筆という作業は、単なる文章修行ではない。スキルの総合パッケージを培う作業である。そこには、情報収集ならびに分析能力、読解力、問題発見能力、問題解決能力、コミュニケーション能力(文章力ならびに口頭発表能力)、そして計画運営能力等々のスキルが含まれる。実はこれら、日本の経済産業省が推進している「社会人基礎力」のことなのだ。
 北米で3年生以上だと、1科目につき論文(タームペーパー)一本が普通。1学期に3科目(1科目は週3時間)とすれば、1年に2学期あるとして、1年間に6本、論文を書くこととなる。3・4年合計すれば12本。それだけ社会人基礎力養成の訓練をうける。その上、に卒業論文が控えているというわけ。
 それだけの「特訓」をうける北米の学生。対して、同じ期間のほとんどを就職活動に費やすか、それに気がそがれてしまう日本の学生。
 こう比較するとおわかりになると思う。日本のわが同僚、つまり大学教授の方々にすればジクジたる思いではなかろうかーー何しろ、外部要因(日本の企業)によって、こういった状況がもたらされているのだから。
 それだけ「4月1日に皆、入社――そうでなければ傷物」という慣習の被害は多大なものなのである。
 もっといえば、そういった慣習を自己責任で無くすことができない日本の経済界が情けない。やろうとしても、無視する企業が出てくるのであろうかーーそうなると、我も我もと他の企業も追随するのであろう。その昔、そういった過当競争を抑制するには通商産業省の介入なしではできなかった。そういった公権力が介入しなければ、4月1日入社ルールもどうしようもないのであろうか。日本社会の弱さを見せつけられるような気がしてイヤになる。
 日本でこれを読んでいる学生の皆さん、こういった制度ーー英語ではシステムと呼ぶーーは皆さんにはどうしようもない「体制」ですが、それでも全力を尽くして学業にはげんでください。ちなみに上でふれた社会人基礎力については次の経済産業省のサイトをごらんあれ。
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm
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テーマ : 教師のお仕事
ジャンル : 学校・教育

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Author:プロフェッサーX
性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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