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学生からよくうける質問:秘密の英語上達法?

 英語をうまくなるにはどうしたらいいのか、相談をうけることがある。「聞き流すだけで英語がうまくなる!」という類の広告も多いが、そんなに簡単にはいかないのが常識。といっても、私のような「語学オンチ」に妙案があるわけではない。しかし、ヒントのようなものをここで記しておこう。

(1)語学力は4つの技能から成る

 言葉をマスターする際、一番簡単なのが「聞く」こと。つまり耳が慣れること。他方、一番むずかしいのが「書く」こと。とくに「きちんと公に通じるような、つまりフォーマルな文章を書く」ことで、例えば教科書・論文、さらには企画書とか書けるようになれば本格的。つまり社会人・企業人・公人としての文章力である。
 この二極の間にはさまれているのが「話す」技能と「読む」技能の2つ。いわゆる語学力はこれら4種の技能から成り立っていて、一つできれば他もできるとは限らないところが悩ましいところ。もちろん、4技能すべてマスターできれば、最高。しかし、そのためには技能別の訓練を受けることが必要となる。

(2)2つの技能は一グループをなす

 これら4技能をみるとき、「聞く」「読む」は受動的な行為で、「話す」「書く」は能動的行為であることに気づく。普通、前者2つのほうが後者2つよりも達成しやすい。
 他方、「聞く」「話す」は会話に関する技能で、「読む」「書く」はいうなれば独習に関する技能である。会話力がつけば自動的に独習力がつく、というものでもない。このことは、会話力がある小学生が学校で読み書きを習わなければ文盲になってしまう、ということからも理解できよう。実際、会話力バッチリの大人でも、「文章力おおいに問題あり」ということがある。日本人でもそう。いわゆる「英語ネイティブ」の人でもそう。
 ということは、「会話力の訓練と独習力の訓練は別物」と考えたほうがよい。

(3)会話力の訓練は immersion が最も効果的

 会話力養成の場合、「慣れること」が基本的な学習方法となる。
 英語の世界にドップリつかり日本語ゼロの状況に自分を置くのが一番効果的。こういう状況を英語では immersion という。まあ、いうなれば「死に物狂いの世界」に自分を置く。「生活するためには英会話しないとやっていけない世界」あるいは「日本語という逃げ道が無い世界」。ただし一ヶ月とか、短期間では効果は低い。もっと長期な訓練が必要なのが普通。
 そういう状況を自ら作るのが難しい場合はどうなるのか。日本語の世界にいて「英会話学校を一週間に2・3時間だけ」という場合、「これ!」といった実践レベル効果・短期的効果を期待しないほうがいい。多分、「聞く」ことはある程度上達しようが、「話す」ことに未だに難あり、という場合が多いと思われる。
 ただし、「聞く」ことによって「話す」能力が強くなることに注意。「聞く」ことによって言葉の音を学習し、それを自ら発音することとなる。それ無しに「話す」能力が伸びていくとは思われない。ちなみに楽器演奏が得意な人は、この会話力がつきやすい。つまり音に敏感なのである。

(4)独習力の訓練は「数をこなす」こと

 「読む」「書く」の場合はどうであろうか。これらは「普段は日本語」の世界にいても効果的な訓練が可能である。また、音感能力にも関係がない。
 まず、「読む」力を蓄えるにはひたすら英文を読む、これが王道。
 が、いちいち辞書を引くのはダメ。まとまった文章(例えば一パラグラフあるいは一段落)の流れや大まかな意味を理解するように努力するのである。日本語では日本語のリズムがあるように英語では英語のリズムがある。例えば、英語非文学作品の場合、各パラグラフの最初の文章に「このパラグラフのいいたいこと」(トピック・センテンスという)があって、それにつづく部分はそれの解説という形をとることが多い。言い換えれば、各パラグラフの最初の部分だけ拾い読みしていけば、その章の全体像がおおよそわかるようになっている。逐語訳方式に一文一文読んで理解しようとはせずに、こういった全体像を把握する読み方をマスターするのである。もちろん、必要ならばあとで辞書をひけばよい。文章を追っているときに辞書をひくことで文章の流れを途切れないようにするのが、ここでのポイント。
 「書く」能力養成には文法の知識といったことも必要ではあるが、ここでも英文のリズムを学ぶことが肝要となる。人によっては「文章力?何回も実際に英文を書くことしかない!」と突き放した言い方をする。もっともな意見ではあるが、これでは赤ちゃんを海に放り投げることに等しい。で、一つ、作戦を授けよう。
 コレはと思った論文や本を写筆すること、これである。つまり、「なぞる」ことによってその作者の英文リズムを体得していくのである。(ただし訓練の目的のみ。自分の論文を書くときには、そういったコピー作戦は絶対禁止。)
 また、大学で書くような論文は一種の学術作品であって、一定の「型」を持っている。何もないところから彫刻品を作成するのは不可能なように、何もないところから論文を作成するのは無理であろう。彫刻品の「型」をまずは理解し、それをマスターするように、論文の「型」を理解しそれをマスターするのが正解といえる。
 そういった「英語論文の一般的な型」は前に指摘したように、
The Craft of Research という本に出ているので参考になる(ただし理系にはあてはまらないと思われる)。それと、より高度な社会科学系論文の「型」は『社会科学系のための「優秀論文」作成術』が日本語ながら参考となる。

****
 ということで、4つの語学力技能、おのおの特有の訓練メニューが必要となる。この基本点をまずは理解されたい。また、以上の点はヒントに過ぎず、別の訓練方法もちろんあろう。その他、気づいた点があればおいおい報告していくこととする。
 
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テーマ : 留学・留学生
ジャンル : 学校・教育

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性格は理系クンに限りなく近い文系学者。仕事の合間をぬって魚釣りにいそしみ、カナダの大自然をエンジョイしている。

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